異風人

《学生諸君、コズエ、それに居酒屋の民は、波紋の論理を理解しておる。断言してもよい。公園で出会ったあの老夫婦が、突然姿を見せなくなったのは、私の講義を聞く必要がなくなったということである。つまり、波紋の論理を理解したからに他ならない。それにしても、悔いは残るが、コズエは、後一歩と言うところであった。》
《これらの民は、鏡面とまではいかないが、少なからず、私の講義を聞きたいという純粋な心を持ち合わせておる。居酒屋のママもそのように言っていたから確かなことである。それに比べて、主には、私の講義を是非聞きたいという純粋さがない。箸にも棒にもかからない、ひねくれた心が充満しておる。ほころびが大きければ大きいほど、修理は目立つというものだ。》