異風人

吉平は、ますます自信に満ちた面持ちで腕組みをし、身体の力を抜いて椅子の背もたれに深々と沈み、顎を撫でながら、我ながらと笑みを浮かべた。先代もこの椅子に腰をおろし、このようにしたのであろう。大いなる強がりではあるが、吉平は次のように言い聞かせたのである。『一人になって、思いに耽るのもまんざら悪いものでもない。』とは言うものの、書斎の分厚いドアを開ける吉平の足取りは、妻との面会を終えて独房に戻る囚人のように重かった。書斎に閉じこもるようになって、今日は何日目になったか、刑務所に身を置く囚人のように、刑期を数えてカレンダーに印をつけていないので、定かではない。