異風人

社長が部下を呼びつけてふんぞり返っているかのように、椅子の肘掛にどっかりと体を横たえている吉平の姿は、書斎の重圧感に負けないほどの自信に溢れていた。そして、山高帽子とステッキ、それに燕尾服は、ますます着用の度を深めたのである。話し相手のない吉平は、今日も同じように椅子に腰をおろし、思いに耽った。まだ幾日も経っていないのに、久しく小夜に合っていないような気がする。そして吉平は、何となく小夜と話したことを、一種の懐かしさを込めて思い起していた。