異風人

吉平は、我ながらにして自分の功績に思いを馳せ、にやりと含み笑いを見せたのである。それにしても、小夜はどうして、この私に向かって、毎日絵を眺めよと言うような態度をとったのか?今書斎から出たのでは、少なからず今まで築き上げてきた威厳にかかわる。話し相手のない吉平は、椅子の肘掛にどっかりと寄りかかるように体を斜めにした。斜めにしてはみたものの、手持ち無沙汰の吉平は、仕方なく物思いに耽るしかなかったのである。この物思いには、めんつにかけた確たる確信を添えながらも、少なからず、もろもろの不満を拭い去ろうとする意志が無意識の内に働いていた。