異風人

「ご主人様の、波紋の論理も包含されているのです。そのお方は、ご主人様のこともちゃんと理解しているのです。否定しているのではないのです。優しく受け入れてくれているのです。そのお方の真実がそこにあるのではと思います。ご主人様も、毎日眺めてください。小夜のお願いです」
「それからのお、小夜、帰りがけに彼は、このようなことも言って居った。徒然草の三十八段(三)を見なさい。但し、あなたが山高帽子、ステッキ、それに燕尾服を捨てた時でなければならない。それまでは、決して見てはいけないと言って居ったが、小夜は徒然草を読んだことはあるかね」
「はい、何度も読みました」
「そこには、何が書いてあるのかね?」
「兼好法師の徒然が書いてあります」