異風人

「はい、貴方のお心遣い有難うございます」
「なかなか素直でよろしい。無知とは、馬鹿のことである。考えようによっては、無垢の純白であるとも言える。そなたは、正しくそのようである」
「全くその通りです。私も無垢の純白になりたくて、逃避したのです」
「やはりそなたの頭の中は、錯乱状態にある。社長という名誉地位を捨てて、わざわざ馬鹿になりたいと言うのかね?」
「はい、仰せの通りです」
「そなたには、何処から話の糸口を見出せばよいのか、困ったものだ。何か私に聞きたいことはないのかね」
「それでは一つお伺いします。我が子を愛する母親の心は、何処から生まれるのでしょうか?」
「なるほど、教育を否定するそなたにとっては、解決できない疑問であろう。よろしいかな。それは教育にある。偉い人の話しを聞き、書物を読むことによって養われる心である」
「男性の場合にその心は養われるのでしょうか?」