異風人

「どうすればよい」
「ご主人様が下界に降りてはと思います」
「具体的にはどうすればよい」
「例えば、散歩とか、旅に出るとか、たまには居酒屋に行くとか、カラオケに行くとか」
「民と接すると言うことか」と、吉平は、吉平なりに悟りを開いたのである。悟りを開いたところで、吉平は、この悟りがさめない内に早々と小夜との講義を切り上げ、寝室に向かったのである。そして、床に着いた吉平は、民と接する手立てについて考え込んでいた。