異風人

「夜は何時も、このようにして過ごしているのかね」
「何時もと言うわけではありません」
「では、どんな時にこのように座ったままなのかね」
「そうですね、時々壁に突き当たることがあります」
「回りは、ビニールシートだが、それでも壁に突き当たると言うのかね」
「面白いことをおっしゃいますね。まあ、そんなところです。実は、真実とは何かと言う壁に突き当たっているのです」
 それは、小夜の言うとおりであった。そして、吉平は、意を得たとばかりに口を開いたのである。
「よろしい。今日は真実について語り合おうではないか。実はあのベンチに辿り付いたのは、若い女性を捜し求めて見つからず、疲れ果てて腰を下ろしたのである」
「その女性とは、どのようなお方ですか?」