異風人

吉平は、小夜の言った真実と言う言葉に強く惹かれたのである。全て否定されたと思っていた吉平の論理に、多少の光がさしたのである。鏡面の水面に、真実と言う石を投じなければならない。これが吉平の論理である。小夜の言うことが本当であると仮定すれば、あの極致の悪臭が漂った空間に身を置くことと、鏡面の水面は、同一でなければならない。吉平の頭の中は、再び錯綜の状態に陥ったのである。複雑に絡んだ糸くずを解きほぐすには、小夜の言うように、彼と深く付き合うことが必要である。このような訳で吉平は、公園に通うことを決意したのである。