「そなたの気持ちは解る。語り合おうではないか。この前の話の続きだが、上に立つ者には、威厳が必要である。この威厳は、名誉と地位によって、養われる。この威厳があってこそ、下の者にはそなたを敬う心が芽生えるのである。即ち、そなたが下の者に投じた石の重みが、波紋のように広がるのである。これによって、社員一同が一丸となって、会社の業績が上がるのである。そなたは、現在の会社は業績が上がっているといっているが、そなたが引退したからであろう」主は、暫くそのキャンバスを凝視し、一つの色を見つけたと言う面持ちで、吉平のほうへ顔を向けた。
「ああ、失礼、いらしてたんですか」
「いらしてたんですかじゃないよ。そなたの思い悩んでいる姿を見て、先ほどから声をかけて居る。昨日私が来なかったことに気を病んでいるのではないかとか、過去の優雅な暮らしを思い起こして、悩んでいるのではないかとね。少しも聞いていなかったのかね?」
「ああ、失礼、いらしてたんですか」
「いらしてたんですかじゃないよ。そなたの思い悩んでいる姿を見て、先ほどから声をかけて居る。昨日私が来なかったことに気を病んでいるのではないかとか、過去の優雅な暮らしを思い起こして、悩んでいるのではないかとね。少しも聞いていなかったのかね?」


