異風人

「過去の優雅な暮らしを思い起こして、悔やんでいるのであろう。私と話しをすれば、そなたの悩みは晴れるはずだ。気を取り直してはくれぬか?」
 主は、尚もその姿勢を崩さなかった。暫く沈黙が続いて、主は、目を開き一枚の真っ白なキャンバスを凝視したのである。そして主は、絵筆を摘み、真っ赤な色をキャンバス一杯に塗り始めたのである。そして主は、筆を置いた。それを見て吉平は、この機会を逃すまいと急いで口を開いた。