公園に辿り付いたのは、二十時を少し回っていた。出入自由のビニールの扉をあけて、吉平は、中を覗き込んだ。その中は、相変わらず異臭が漂っていた。主は、絵具とキャンバスに囲まれて、目を閉じたまま座っていた。そして吉平は、声をかけたのである。
「私が来ないと思って、落胆しているのであろう?」主は、振り向きもせず、その姿勢を崩さなかった。
「申し訳ない。昨日は一応そなたのところへ向かったのであるが、道に迷って辿り着くことができなかった。そなたの気持ちは解る。気を悪くしないでくれ」主は、なおもその姿勢を崩さなかった。吉平にとって、その主の姿は、欲しい物を買ってもらえないで駄々をこねている子供のように見えたのである。
「私が来ないと思って、落胆しているのであろう?」主は、振り向きもせず、その姿勢を崩さなかった。
「申し訳ない。昨日は一応そなたのところへ向かったのであるが、道に迷って辿り着くことができなかった。そなたの気持ちは解る。気を悪くしないでくれ」主は、なおもその姿勢を崩さなかった。吉平にとって、その主の姿は、欲しい物を買ってもらえないで駄々をこねている子供のように見えたのである。


