異風人

「家族は居るのかね?」
「はい、居ります」
「そなたが画家になることを家族の者はどう思っておるのかね?」
「最初は、画家になることを考えていませんでした」
「では、この住処にくる前は何をしていたのだね?」
「実は私、ある会社の社長でした」
「ほう、そうかね。会社が倒産して、タケさんやケンさんと同じように、皆に見離されたと言うわけだ。そなたを見ていると、世間で言う偉い社長のように、責任感を感じて今の姿になったとはとても思えない。そうであろう」
「会社は業績を上げ、現在も順調に行って居ります」
「社員に嫌われて、いたたまれなくなってここへ来たのであろう?上に立つ者には、威厳と言うものが必要である。そなたに、私の論理を理解させるには、長時間を要するようだ。私にはそうした義務がある。今日のところは、これで引き上げるが、明日この話の続きをする」