異風人

歩きながらも、コズエを探索する執念は衰えない。歩道の流れの中にコズエが居たら、きっと声をかけてくれるに違いない。そう思った吉平は、我が身を路上にわざとらしく曝し、通りに並ぶ店を、一つ一つ丹念に見ながら歩いたのである。そして吉平は、若者が集まっている店の前に立ち止まり、窓越しに店内をじーっと凝視した。山高帽子を目深にかぶり、ステッキを杖にして静止しているその姿は、コズエよりもむしろお巡りさんの目を惹きつけた。いかにベテランのお巡りさんといえども、不審者かどうかの判断に迷いを起こさせる不思議な雰囲気が漂っていた。お巡りさんは、声を掛けることもできず、ただ静観していた。