異風人

「ええ、大学を出ております」
「会社を辞めた理由ですか?」
「いいえ違います。会社の組織構成からくる人間関係ではありません」
「いいえ、課長も、係長もいい人で、何でも相談できました」
「ええ、二人は役職としての威厳があり、この二人のためなら何でもできると思いました」
「ええ、それはもう、敬う気持ちは十分ありました」
「会社を辞めた一番大きな理由は、会社の方針として金儲けしか考えないことに落胆したからです。同期で入社した友達は、会社の方針と自分のやりたいことをうまく両立させていましたが、私にはそれができなかったのです。純真な気持ちで入社したのですが、その純真さがだんだん汚されていく自分に苛立ちを覚えたからです」
「いいえ違います。いろいろなことを経験するためではないのです。この場所に通い始めたのは、別にこれといった理由はないのですが、今の自分の気持ちをただぶっつけてみたかっただけです」