「聞いた話だと、ここから東大陸まであいつを飛ばしたそうだね」
ジリルはそう言うと、スッと目を細めアレンらが話すのを促した。
マケドニスは緊張感MAXになりながらも姿勢を正して視線に堪える。
「まぁ…いきり立ってたので国にいられるとちょっと困ると思って。本人に聞いたんですか?」
「そうだ。式典の邪魔をしたのはよくないと怒っておいたよ」
「…なんかすみません」
とりあえずアレンは謝っておいた。
早く話を終わらせたいし、とにかく流してかわしてスルーして何事もなくすましたい。
それなのに何故かジリルの目が爛々と輝きだし、自分を嬉しそうに見るのだ。
……正直うざい。
いきなり何なんだ。
こっちは上に人を待たせてんだぞ。
「謝らなくてもいいさ。こちらが悪いのだから。
そのお詫びと言っては何だが、よかったら今度食事でもどうだい?」
言いたい放題なアレンの意思に逆らうように、ジリルはいきなりそんな提案を出してきた。
「…え?」
当然、アレンもマケドニスも驚く。
食事?
なんで。
超気まずいに決まってんじゃん。


