いきなりの使用人の報告に、アレン、マケドニス、皇帝、首相が一気に声を合わせて叫んだ。


一瞬で血相を変えた彼らは立ち上がってお互いを見やる。




「どうするんだアレン君!」


「やばいんじゃないかい?」


皇帝と首相が真っ青になって言う。


アレンは焦りながらもマリアンヌを呼んだ。



「マリアンヌ、ジリル様の用件は?」


「アレン様に会いたいと…」


「……………………。」




――…何故、急に?


しかもこんな遅くに。




しかしその答えはすぐに出てきた。




…あれだ。あれ。


今日のあれ。





「…俺が行ってきます。ここから出ないで下さい」



アレンはそう言うと直ぐ様駆け出し部屋を出た。


マケドニスもそれに着いていき、レイはマリアンヌとその場に残り扉を内側から死守する。





(めんどくさいことにならなきゃいいけど…)


階段を駆け降りながら、アレンとマケドニスは揃ってそんなことを思っていた。




…とにかく、かわせ。



かわしてかわしてスルーしろ。




脳内ではそんな言葉がグルグルグルグルと回っている。