レヴィオルストーリー3


「私、ここが好きなの。七帝の皆が特に。
だからまた戻って来るわ!」


「…うん」



ミュリエルの笑顔と話に、アレンは小さく微笑み頷いた。


そんな彼を見て天使は微かに頬を染めたが、鈍感アレンは全く気付かない。




「…じゃあ、俺はそろそろ戻るから」


「うん、ありがとうアレン!」


魔法を解除してレイ達の元へ戻るアレンに、ミュリエルは大きくブンブン手を振った。


アレンの方が大分年下の筈が、精神年齢的にはそうは思えなくなってくる。




勇者を見送った大天使は、手を下げると側近と彼女と話す彼を見つめた。



「……最初は子供だと思ってたんだけど…、やっぱり成長していってるわよね」


そう呟いてから、「たまに見せる笑顔にキュンとキちゃう♪」とか言ってきゃあきゃあ一人で騒ぐ。



本当に一瞬で精神年齢が激しく上下する。



これがアレンが掴めない人だと感じる原因なのだろう。







「………さ、もう行かなくっちゃ。嫌でも本格的にはじまっちゃうんだから」


ミュリエルは微かに口元に笑みを浮かべると、囁き踵を返していった。



この国をしばらく出て、自分の母国に帰らなければいけない。




──…戦いの渦中に、飛び込む為に。