レヴィオルストーリー3


そんなことを考えながら目の前の女性を見下ろしていると、彼女はこちらに真剣な表情を向けてきた。


それからふんわり癖のある金髪を揺らし、口を開く。



「あのね、簡潔に言うと、私しばらくこの国にいれないの」


「………いれない?」



何で、と訊ねるアレンにミュリエルは困ったような顔をした。


しかしその彼女が言わなくとも、アレンは自分で少し考えてその意味に気付く。




「…ヘレヴィアから招集でもかかってんのか?」



──…天使と悪魔の争いが激化しているから。


レヴィオルの大天使になるほどの実力を持つミュリエルは、貴重な戦力として重視されるのだろう。



天使は皆元はヘレヴィアの住民。


レヴィオルにいる彼らは、この国の豊かな自然を求めて海を渡って来た者達だ。



戻って来いと言われたら、母国に戻るのが普通。





「……そう。ミカエル様に言われちゃったから、嫌でも戻らなきゃ。

私、戦うのは嫌いなんだけど…」


「…………強制?」


「うん、まぁそうなるわね」