「……久しぶり。あのさ、その子…」
驚いたレイがさりげなく自分と腕を組むのを感じながら、アレンは戸惑いがちにデスティンの腕の中のものを指差した。
ヴァンヌはデスティンの隣へ行くと、照れ臭そうに笑う。
「…私達の赤ちゃんよ。ルシイルって言うのです♪」
そう言ってすやすや眠る男の子の赤ん坊の頬を彼女はつつくが──…、
「……………子供!?」
アレンとレイ、マケドニスとクナルは目を丸くしてその存在に驚いた。
それもその筈。
天使と悪魔の子供など、前例がないのだから。
その二つの種族の間に子が生まれるなどと、史上初なのではないだろうか。
「………やっぱり~、驚き?」
「やっぱりって…。どうして言ってくれなかったの??」
苦笑いするヴァンヌにレイが唖然としてそう言った。
すると訊かれた彼女はしゅんとして眉を下げる。
…これで60歳を超えているというのだから、また違う意味で驚きだ。


