レヴィオルストーリー3


アレンらがそうする中、カツカツと誰かが歩いてくる音がした。


顔を上げそちらを見たアレンは、またまた驚いて少しだけ目を丸くする。




「……デスティン」



目の前に立った彼の名を呼ぶ。



こちらも綺麗な銀髪を持つデスティンは、悪魔特有の銀色の瞳でアレンを見下ろした。



それから小さく微笑むと、微かに口を開く。





「……ヴァンヌはそうでもないだろうが。

…久しぶりだな、アレン」



──…低い、どこか色っぽい声。


それは紛れもなくアレンの知るデスティンのもの。



ヴァンヌは街長の会議でよく会ったりはしていたが、デスティンに会うのは実に一年ぶりだ。



前に会ったのは、アレンの即位一年の記念式典の食事会で酔ってしまったヴァンヌを連れ帰る為に彼が城に来た時。




それ以外はアレンも忙しくなかなか会えなかった。





その彼が、ここにいる。






──…しかも、腕の中に小さな何かを抱いて。