──…翌日。


勇者の間にて脱走組が集まり、これからのことを相談していた。




「ルネ、本当にいいの?」



そんな中でグロアから発せられたこの言葉。

その真意がわからず、訊かれたルネは無表情ながらに首を傾げた。


「…何が?」

「ヘレヴィア。戻らなくてもいーの?」

「………ああ…」


あっさり頷いたルネ。

ちょうどその時、会談が終わったらしいアレンが扉を開いて部屋に入ってきた。



「疲れた…」

「おっつー」


ジャケットを脱ぎながら歩いてくる勇者にかかるねぎらいの言葉。

顔を上げたアレンは、無表情でその言葉の主を見下ろした。

後ろを歩くマケドニスが苦い顔をしている。


「…何でお前がいる」

「いやー親衛隊隊長だし?」

「そこから降りなさい」


睨むアレンに注意するマケドニス。

そうされた本人、ユーリはへらへら笑って「いいじゃんいいじゃん」と王座に肘をついた。



「一回こーゆう椅子座ってみたかったんだよなー」

「降りろ」

「やっだー」

「落ちろ」



一言冷たく言い放ったアレンは、言葉の通りにユーリを王座から突き落とした。