「え、一人で来たの?」
レイが驚いて口元に手を宛て言った。
ユーリは頷くとレイをジッと見上げる。
それから破顔すると、嬉しそうにこう言った。
「やっぱりレイ様綺麗~♪」
──…その真っ直ぐすぎる言葉に、アレンの眉がピクリと動く。
レイは「あら、ありがとう」と大人な反応をすると、不機嫌になったアレンを見て楽しそうに微笑んだ。
「アレン、どうしたの」
「……別に」
悪戯っ子みたいに言うレイに、若干拗ね気味で素っ気なく返す勇者。
「………相変わらず…、それだけはわかりやすいですね」
そう呆れた側近が言うのと同時に、シリティーが駆け寄って来た。
その後ろでは国民がどうしていいかわからず立ち尽くしている。
「…あ、忘れてた」
突っ立っている物凄い人数の集団を見たアレンは、小さく呟くと自分からもシリティーに歩み寄った。


