レヴィオルストーリー3


「………あぁ、親…」


忘れてたとでも言いたげな表情を軽く覗かせるアレン。


彼はまた子供に目を移し、腰を落とすと顔を覗き込んだ。


それから出来る限り優しく頭に手を置き、口を開く。




「…お前、名前は?」



子供は何故かむっつりとした顔をしていたが、そう訊かれるとアレンを見上げた。




「………ユーリ」


呟くように言うと、くすんだ金色の髪を弄る。


そうしたことで、横でまとめたそれが小さく揺れた。




「ユーリ、か。親はどこだ?」


子供──ユーリの態度に少しばかり苛ついたが、それを微塵も感じさせず優しく訊くアレン。


ユーリはアレンを見てからレイ、マケドニス、大勢の国民へと順番に目を向け、最後にまたアレンを見上げると首を左右に振った。





「………いないよ」