国民が黙り見守るなか、座り込む子供に合わせてアレンもその前にしゃがんみ込んだ。
ポカンと口を開けるその男の子の目を覗き込み、口を開く。
「………大丈夫か?」
差し出された手を見て、子供はぱちくり瞬いてアレンを見上げた。
それから躊躇いがちに彼の手を取ると、立ち上がらせてもらいまた目の前の青年を見つめる。
アレンはそうされながらも、男の子を観察し様子を見た。
「……怪我してるな。医務室行こう」
「……ふぇあっ!?怪我っ!!?」
アレンに手を引かれ歩かざるを得なくなった少年は、驚き奇声をあげされるがまま着いていく。
そんな二人をマケドニスとレイが慌てて止めた。
さもめんどくさそうにアレンは振り向く。
「…あ?何??」
「あ?じゃなくって。アレン、待って」
「なんで?」
レイに腕を取られ不思議そうにするアレン。
そんな彼にマケドニスがその理由を教えてやった。
「その子の親がここにいるでしょう。
その方達も医務室に一緒に来た方がいいですよ」


