新しく親衛隊に四人が入った、翌日。



「…アレン」


今日も起きないアレンにレイは楽しそうに笑う。

昨日の夜やっと自室に戻ることを許された彼は、以前と同じく彼女と共に眠っていた。


「アレン、そろそろ起きなきゃ。今日から仕事あるんでしょう？」


そう言って揺らしても目を覚まさないのは今までの経験でわかりきっている。

安心しきった表情で眠りこける彼の頬に口付けると、レイはすっと目を細めた。


「アレン、起きなさい」

「…………ハイ」


毎朝恒例のこのやり取りも、今日は久しぶりだ。






「やっぱ医務室よりこっちのがいい…」


レイにおはようと言いベッドから身を下ろした勇者は、そうぼやくと彼女を引き寄せギュッと抱き締めた。

されるがままのレイは、アレンに擦り寄って幸せを噛み締める。


「貴方がいない間、すっごく寂しかったんだから」

「……ごめん」

「ううん。悪いのはアレンじゃないわ。無事でよかった！」


華のような笑顔を咲かせる彼女。

アレンはそのマリンブルーの瞳を見つめ、首を傾げた。