翌朝、医務室。



「ええ～っ!?アレン悪魔んとこに拉致られてたのっ!?あっはっはっはっは！」



朝っぱらから大きく響く、高い高い笑い声。


しかしそれも長くは続かず、ガシャンバリンドカン！という何だかとてつもない音がすると同時に消え失せた。





「ぎゃ～っ！ぅあっづぁ！アレン様っ、ちょ、熱い熱い熱い熱いっ」

「双子…！」

「おいおいおいおいおい！待て待てアレンってぅあっづぁ！」


ぎゃあぎゃあうるさい男性陣。


奥でクナルの手伝いで医療品の整理をしていたグロアは、その様子にあんぐり口を開けた。




「…うわぁ、双子！」

「ちょっと待ってアレン、貴方朝ごはんのスープひっくり返してるわ」

「あ、ごめん、後で」

「あははっ、めっずらしー！アレン抱っこしてみるっ？」


スープをひっくり返してマケドニスとギルクにぶっかけたアレンは、そんなことは気にせずコクンと頷いた。

ちなみにさっきから無駄に笑いっぱなしなのは先程城にやって来たイル。

彼女はここに来てやっとアレン誘拐事件の存在を知ったのだった。


そしてレイはといえばアレンのひっくり返したスープを拭いて苦笑している。