レヴィオルストーリー3


「アレン様!?何するつもりですか!」


マケドニスが慌てて子供から離れアレンに駆け寄った。


魔方陣を出したことから、心底不機嫌な主人が大きな魔法を使うことを察したのだ。



アレンは仏頂面で振り返ると、一言だけ吐き捨てるように呟いた。




「……強制転送」



彼がそう言った瞬間、目も開けていられないほど眩く輝きだす金色。


アレンは更に片手も加え呪文を唱えた。



「《移動魔法》」

「なっ…」


悪魔が何やら文句を言おうとした。


しかしその前にその姿は広間から消えてしまう。



──…アレンが強制的に、どこかへ瞬間移動させてしまったから。






「………終わり。結界解け」



シーンと静まる広い場所にアレンの低い声だけが響いた。


レイやシリティー、ミュリエルは言われた通り結界を解く。





「……全く…、アレン様。いくら国民がいて危ないからってそれは…」

「邪魔したあいつが悪い」

「いや俺が言ってることと違うんですが」


平然として言うアレンにマケドニスはツッコミしながら溜め息をついた。


それを無視したアレンは、今度はあの子供のもとへ歩み寄る。