「……そっちがその気なら…」
悪魔の動きを見たアレンは、そう呟くと悪魔を押さえ付けていた足に力を入れ、相手の体を思いきり蹴り飛ばした。
それにより矛は彼には届かずに虚しく宙を切る。
少し吹っ飛んだ相手に隙が出来た瞬間、アレンは素早く詰め寄り剣を振るった。
それは矛を弾き飛ばしてから悪魔へ向けられる。
「ひっ…」
マケドニスが寄り添う子供が小さく悲鳴をあげた。
アレンが悪魔を殺すとでも思ったのだろう。
だが、実際は違った。
──…ザクッ!
「………!?」
響いたのは、剣の刺さる潔い音。
それを聞いた国民らは好奇心に負け、思わず瞑っていた目を開いてしまった。
そして、目の前に広がる光景に息を呑む。
アレンの剣は地面に刺さっていた。
──…悪魔の首のすれすれの場所、数ミリのところに。


