レヴィオルストーリー3


「…………悪魔、か?」


確かめるように呟いたアレンに、その人物は鋭い視線を投げかけた。


アレンは意味がわからず眉を潜める。



「……ここに天使と悪魔の二人組がいるだろう」


──…目の前の悪魔が喋った。


低い声がしんとした広間にやけに響く。



その質問に首を微かに傾げ、アレンはわからないということを示した。



だいたい天使と悪魔の二人組など、そう滅多にいないものだ。


それらはお互い忌み嫌っている種族。



くっつくことはまずない。




──…一組だけ、例外の思い当たる節はあったが。




ここに今いるのかもわからないし、あからさまに敵対心むき出しなコイツに教える必要もない。




そんなことは露ほども感じさせないアレンの反応を見た悪魔は、残念そうに頭を横に振った。


そして。



「………そうか。わからないか。

なら力ずくで見つけ出してやる」



──…そう言うと、右手を後ろに回し何もない空中からどでかい矛を取り出した。


剣の側面で自分を押さえつけるアレンに向かい、それを突き出そうとする。