《勇者様、お話ありがとうございました。
それでは、これをもって即位二年記念式典は終了したいと思います。》
シリティーがアレン同様、珍しく公衆の面前で笑顔を見せ締めくくった。
ざわざわしはじめる国民達を見下ろし、言葉を続ける。
《なお、この後に庭園全てを使っての食事会があります。
参加は自由なのでどうぞ皆さ…、?》
──…不意に順調に進んでいた司会が止まってしまった。
ざわついていた聴衆は疑問に思いバルコニーを見上げる。
すると、そこにいる七帝とマケドニス、シリティーらが全員ある一方向を凝視していた。
もちろん気になる国民はその方向に目を向けるワケで。
そうするのだが、…そこには何もない。
《………何でしょうか》
シリティーが魔法を解くのも忘れて呟いた。
アレンが身を乗り出してそちらを睨む。
その、瞬間。
──…ドカァアァン!


