《…何か凄いこと言ってるみてぇだけど、俺は自分が経験したことから本気でそう思います。
生きてなきゃ後悔すら出来ない。
俺はそれを色んな人から教わった。
これからもそれを肝に銘じて、俺なりに頑張っていきたいと思います。
もちろん他にもあるけど、それが一番大事だと思う》
そこまで一気に喋ると、アレンはふぅと溜め息をついた。
それすらも人々を魅せてしまう。
ここでは美しい見た目だけではなく、その存在自体が周りの者を魅了していた。
《……俺の話はこれで終わり。
聴いて下さってありがとうございました。》
アレンはそう締めくくると一礼し、レイ達の元へと戻っていった。
集まった国民は拍手すら忘れてその後ろ姿を見つめる。
「……アレン、貴方最高よ」
レイは戻ってきたアレンを見上げ、にっこりと満面の笑みを見せた。
アレンは安心したようにほっと息をつくと、ありがとうと呟き柔らかく微笑む。
自分達には珍しいそれを見て国民が我に返ったのか、急に割れんばかりの拍手が広間に響いた。
アレンは今度はしかめっ面せず、逆に少し照れてそれを受ける。


