レヴィオルストーリー3


何千人何万人の人の視線を一気に浴びながら、アレンは懐かしむように目を細めた。


その表情一つ一つに、聴衆達は惹き付けられる。



《……俺は、勇者になってからもその前も、何度か間違いを犯しかけた。
それもこれからもあるかもしれない。

でもぶん殴ってでも止めてくれる仲間がいる。

それは…すごいことだと思います。

…そんな仲間がいたから、二年間こうして勇者を続けられた。》


そこで何故か照れ臭そうに嬉しそうに、鼻をこするギルク。


聴衆もレイ達も揃って少し吹き出した。



アレンはその様子を見て小さく笑うと、また言葉を紡いでいく。




《…まだこんな風に馬鹿だけどいい仲間なヤツがいなくても、きっといつか出来るから。

苦しくても辛くても、それを信じて生きてほしいです。

憎しみからは、憎しみしか生まれないし。

生きてなければ意味がない。》



──…再び静まり返る広間。



全員がアレンの話に耳を傾け、聞き入ってしまっていた。