レヴィオルストーリー3

「…お名前は?」


「…アレン。アレン=ブロドニス」


その場の全員の視線が自分に集まっているのを感じながらも、アレンは素直に答えを返す。


グロアがルネの牢屋から離れ、ちょこちょこと傍にやって来た。



「お母さんの名前は?」


女性はグロアを気にすることなく、ひたすら青年を見上げ質問する。


「ナティア」


返答したアレンは内心驚きながら女性を見下ろした。


ナティアの名を聞いた瞬間、彼女が牢屋の棒を引っ付かんで近付いてきたからだ。



「ナティア!?」


「しっ!」


大声をあげた女性をグロアが慌てて制する。



しかし、遅かった。




「…なんだ?何か聞こえなかったか??」


さっきアレンが鍵を頂戴した看守の声が響く。


アレンは片眉を吊り上げ、暗闇が広がる廊下へ目を向けた。



そして、グロアを引き寄せ物影に隠れる。



リィがやって来てアレンの肩に乗り、アレンはグロアに魔法をかけ姿が見えないよう細工した。