レヴィオルストーリー3


《…今日は俺の即位二年記念式典にお集まりいただき、ありがとうございます。》


──…これがアレンの第一声。


本来『俺』という言葉はこういう正式な式典では使うべきではないが、アレンは特に気にする様子もなく話を続けた。



そんな様子が国民にも親近感が持てると好評だったり。




《…正直、二年経ったなんて信じられない気持ちです。

成人すらしてないし、まだまだ未熟な俺だから。
皆さんに迷惑かけたこともあったと思うし、これからもそうなるかもしれない。》



──…これが国民に向けるアレンの本心。


ありのままの気持ちを彼は話していた。



その証拠に。





「………アレンさ、原稿持ってなくない?」

「あ、……本当ね」


話す彼の後ろでコソコソ喋るイルとレイ。


アレンは普通なら用意する原稿を出していなかった。




視線はひたすら広間の国民へ。




美しい澄んだ碧の瞳に見つめられる国民は、水を打ったように静まり返り、彼を食い入るように見上げている。