《それでは七帝様達がお見えなさったところで、現勇者第44代目様の即位二年記念式典を行います。》
シリティーの丁寧で涼やかな声が庭園の広間いっぱいに響く。
アレンはテンポよく進む式典中、欠伸をしないようにするのに一生懸命だった。
そうして密かな格闘をしているうちに、勇者が話をする時間になる。
《勇者様のお言葉です。》
やっぱり一本調子なシリティーの声。
…これでも一応司会を楽しんでいる。
「アレン、頑張れー」
イルが椅子に座りながらニッコリして囁いてきた。
その笑顔に何故か脱力したアレンは、軽く笑うと頷いて前に出る。
正直やりたくないが仕方がない。
やるならさっさと終わらせよう、アレンはそう思っていた。
そんな彼はマケドニスから小型マイクをもらい、目立たないようにつける。
そしてみんなが自分に注目する中、言葉を発するべくゆっくりと形のいい唇を開いた。


