「いーい?絶対誰にも言わないでよねっ!?」


そう前置きして、グロアは詳しいことをアレンに話す。


彼女の話を要約するとこうだった。





まず、この悪魔の国では王のみが側室を持てるらしい。

しかしジリルには昔最愛の妻がいたので、彼はそれを全く持っていなかったとのこと。


しかし、その妻が早くして死去。


哀しみに明け暮れたジリルは女に逃げ、以後側室が急激に増えたらしい。


そうして隠し子が増えていき、グロアはその一人なのだそうだ。


「あたしの母さん、ほんとは好きな人いたんだけど…王の命令だからって逆らえなかったんだって。

あたしが10歳のときに亡くなって、その時にはじめて自分がジリル様の娘だって知ったの」


「……………………。」



意外とダークな話をさらりと話すグロア。


アレンはその肝っ玉にかなり感心した。



「…まぁ、そんなワケ。姉様も父親は一緒だけど母親は違うの。いわゆる腹違いってやつ?」


「…お前も大変だったんだな」


しみじみと言うアレンに苦笑し、グロアはううんと首を横に振った。


短いボブカットの銀髪がさらさら揺れる。