むしゃむしゃと何食わぬ顔で食事するアレン。


そんな彼にイラッとしたのか、グロアはキッと青年を睨むとビシリと指を突き付けた。



「今の絶対誰にも言わないでよねっ!?ほんっとに秘密なんだからあっ」


「バラしたのはお前だろ」


「~っ、そうだけど、黙ってて!」


核心をつかれて怯むグロア。


情けないことに突き付けた指の勢いが少し弱まった。


それを見たアレンは何か思い付いたのか、にやりと笑うと自分はフォークを突き付ける。



そうしてわざとゆっくりと、はっきり聞こえるように言葉を紡いだ。





「詳しく教えてくれるなら、黙っててやる」



「…………!」



 ――…嵌められた。



逃げられないと悟ったグロアはガクリと大袈裟に膝をついた。



哀れグロア。



黒アレン様は落ち込む彼女を見下ろし、勝ち誇った笑みを浮かべていた。


どんな人とも対等に接するのはいいが、これは少し大人げない。



「ほら、どうする?」


「きぃっ、悔しい…。ムカつく!」


「バラすぞ」


「ゴメンナサイスミマセン」




結局グロアはアレンに事の次第を話すことになってしまったのだった。