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「よし、準備万端っ!」


──…午前9時50分。


直前の最終の打ち合わせも終え、アレン達はまさにイルの言葉どおり準備万端でバルコニーの側に待機していた。



妊婦さんなイルも、椅子を用意してもらい式典には出席する。


七帝は全員出席する決まりだし、イルも出たいと言ったので特別にそうすることにしたのだ。




「イル、大丈夫か??」

「大丈夫だってぇ。パパは心配しすぎぃ~」


七帝の一人であるオージャスは、イルを心配してさっきからやたらとうろちょろしていた。


かなり無意味な行動であるが本人は落ち着かない。



「…毎回緊張しますね」

「マケドニスったら、もっと余裕持ちなさいよ」

「レイ様が余裕すぎなんです」

「あぁあ俺も緊張」


さりげなく便乗する武帝ギルクに、その場の全員が

(お前に緊張なんかあるか!)

と心の中でツッコんだとか。





「皆様、そろそろですよ」


全くもって緊張感のない(藍色一名除く)アレン、レイ、ギルク、イル、ルティ、ミュリエル、オージャスに、かなり緊張した様子の臣下が声をかけた。



アレンはあぁ、と軽く頷くとそっとバルコニーを覗いてみる。