「あら、だって正装するのには時間かかるし。早く起きた方が目覚めがいいでしょ?」

「……もうちょい寝たかった」

「文句言わないの」


ピシャリと言われアレンは膨れっ面して黙り込んだ。


そんな彼を見てレイは苦笑する。



「遅くまでするアレンが悪いのよ」

「……だって…」

「ほら、文句言わないっ」

「……………。」


またまた黙り込んでアレンは若干拗ねてしまった。


だんだん自分の前で感情豊かになってきた彼に、レイはまた優しくキスをする。



「…ほら、機嫌直して」

「……馬鹿」

「馬鹿じゃないわ、朝ごはん食べに行くわよ」


そう言いレイはアレンの手を引き、部屋から並んで出たのだった。


朝は完璧にレイのペース。



なんだかもう新婚夫婦みたいだ。




「………ふあ…」

「ふふっ。式典中に欠伸は駄目よ?」

「……んー、努力はする」


そんな感じに階段を降りてく二人。



普通となったこれが、彼らにとっては大きな幸せ。