「あ、帰ってきた!」
それぞれ談笑して寛がせてもらっていると、リルムらと遊んでいたルルアンが急に高い声をあげた。
それと同時にアンナとルルと共にバタバタと駆け出す。
「パパ~っ!おかえりぃ~!!」
「あぁ、ただいま…あ、どうも」
「お邪魔してます」
リビングに入ってきて頭を下げたルルアンの父、ローレムに、アレンらは口々に挨拶をした。
ローレムは微笑みながら「ゆっくりして行ってください」と言うと、着替えるために一旦二階に消える。
「…ほんとにルルアンの親かって疑いたくなるほど、二人ともいい人だな」
ローレムを見送りポツリと呟いたアレンに、ルルアンは飛び付いてポカポカ殴った。
痛くも痒くもない勇者さまは小さなエルフを無視してソファーに座ったまま。
彼はぐるりと部屋を見渡してみんなを観察しだした。
ルティを巻き込みはしゃぐ子供たちに、お茶を出そうとするアンナを手伝うレイとルル。
隣でまだ気持ち悪そうなマケドニスと、和みまくっている老人二人。
…一昔前の自分には想像も出来なかった光景だ。


