レヴィオルストーリー3


そもそも最初は街長も勇者の継ぎ方だったのだ。


だが、街という小さめの規模だとその街で強き者が大抵一家族に集中してしまい、嫌でも家系で継ぐ形になってしまう。



その最終的な結果がこれ。




(まぁ、勇者方式でも…トウキシティではギルクが一番強いよな)



寝転がり訓練所の天井の窓から空を見上げるギルクを他所に、アレンはそんなことを考え一つ息を吐いた。


その吐息は冷えた夜の空気に白い水蒸気となって消える。




「…なぁ、アレン」


「あ?」


ふと黙りこくっていたギルクが話しかけてきた。


適当に返事したアレンには構わず、彼は続けてこんな質問をする。




「…お前は俺に、城にいてほしいか?」


「…は?」



その質問の内容に、思わずアレンは聞き返してしまった。


しかし目を向けたギルクは超真剣な顔。



…これはきちんと答えを返さなければいけない。



また天井の先の空に視線を移し、アレンは考える。




――…しかし答えはわかりきっていた。




恐らくギルクにも。