レヴィオルストーリー3


アレンのその問いに、訊かれた本人はぱちぱちと余分に数回瞬いた。


その後自分はニッコリ笑い、頷いて拳を突き出す。



「おぅ。体動かしたらスッキリしたぜ!

ありがとうな、アレン!!」


「…どういたしまして」


ギルクの返事にアレンは柔らかく微笑んだ。


そうしていたのだが、嬉しそうな親友に今度は真顔になって言う。




「で、何をそんなに思い詰めてたんだ?」


「………………。」



――…ギルクの笑顔が固まった。


それをわかっていながらも、アレンは彼を見据えて目を逸らさない。



ギルクはそんな自分のことに真剣になってくれるアレンを見て、溜め息をつくと力なく笑った。



…なんだかギルクらしくない。



そう思い眉を潜めたアレンに、ギルクは事の真相を話し出した。




「…いや、今日の記念式典に親父も来ててよぉ。そんで話した時に言われたんだ。

そろそろ街長を継ぐ気はないかって…」


「………………。」




――…来たか。



アレンは真っ先にそう思った。



ギルクはトウキシティの街長の息子。


街長は勇者とは違って家系で継ぐから、こういう話がいつか来るんじゃないかとは思っていた。