レヴィオルストーリー3


「《氷撃魔法》」


走りながら魔法を発動させるアレン。


対して魔力を持たないギルクはただ突っ切るだけ。



「《放》――…」


ギルクが自分の場所に来ない内に、アレンは魔法を放った。


アレンの後ろに待機していた氷柱がギルクに向かう。



それは標的を見事に貫き――…



「あまいぜアレン!」


「!?」



――…違った。



貫いた、と思ったその場所にはギルクはいなく、彼はいつのまにか目の前に。


その拳が自分に向かって来るのを見て、アレンは慌てて今度は剣を繰り出した。


もちろん峰打ちだが。



そして、アレンとギルクの剣と拳は同時に相手に届き。



二人は同時に左右に吹っ飛んだ。




――…決着はついたのだろうか。



気になるところだが、アレンもギルクも仰向けに倒れたまま動かない。








「……いってぇ…」


まず、最初にそう唸ったのは赤い髪の武帝様。



彼は峰打ちされた脇腹を押さえ嘆きながら上半身を起こす。




「……アレン?」


武帝様は何の反応もない親友を見て、首を傾げた。



四つん這いで勇者が倒れている場に行き、顔を覗き込む。