ギルクはその様子をしかと目に映す。
アレンが準備万端なのを確認すると、自分は腰を低くした。
「んじゃあいくぜ!おりゃぁあーッ!!」
…昔から変わらない若干幼稚な掛け声と共に、その足がアレン目掛けて振りおろされる。
それをサッとかわし、アレンは素早く剣を振り上げた。
しかしギルクも負けじと結構なスピードのアレンの攻撃を避ける。
「そうこなくっちゃ」
「へっへ!今までの相手とは違うぜアレン!!」
ギルクはそう高らかに言うと、攻撃を避けた勢いをのせパンチを繰り出した。
それも逃れたアレンは今度は剣を握っていない左手で拳を作る。
そこに魔力を込め、こちらも殴り返してやった。
「…うぉあっ!」
すれすれで目の前を通った拳。
それに思わず声をあげ、ギルクは慌ててアレンから離れる。
「チッ」
「うわー、魔力こえぇ…。それ殴った後追い討ちかけるつもりだったろ!?」
「拳のついでに衝撃波でもあげようかと」
「さらっと言うなあああ!」


