レヴィオルストーリー3


ギルクは仏頂面する親友に苦笑しながら、ガツンと両手の拳を合わせた。



「なあアレン」

「あ?」

「手合わせしようぜ」


「……は?」



ぽかんとしてギルクに目を向けるアレン。


何を言い出すんだこいつは、とその表情は語っていた。


せっかく話を聞いてやろうと(滅多にない)親切心を働かしてやったのに、いきなりこんなとこに来てそんなこと言われるなんて。



しかしギルクの真剣な漆黒の目を見て、その考えもあっさり変わる。




「…わかった」


またニヤッと笑った親友に自分も満足げに笑むと、ギルクは少しアレンから距離を取った。



アレンも下がりながら何メートルか先にいるギルクに問う。



「剣は?」

「あり!」

「魔法は?」

「あり!本気で来いやあ!!」

「…お前もな」


やたらと楽しそうに大声張り上げるギルクに笑い、アレンは自分もそう言い返してやった。


思えばギルクと正面衝突する形で戦うのは、まだ旅をしていた頃以来はじめてだ。



あの時は、自分が操られて。


自分の意思ではないのに戦った。




懐かしいな、などと暢気に思い出に浸りながら剣を鞘から抜く。




そして、身構えた。