アレンとギルクはにやっと笑って、軽く視線を交じらせた。
それを見守るマケドニスは仕方ないですね、と呟きレイと顔を見合わせる。
「俺らが退きましょうか?」
「いや、まだレイが食ってるだろ。俺とギルクが退く」
アレンはそれだけ言うとギルクと一緒に立ち上がった。
それを見上げながらレイは首を傾げる。
「アレン、」
「先に寝てて」
「……わかったわ」
彼の優しい眼差しと微笑に頬を緩め、レイは素直に頷いた。
アレンはその様子に目を細めると、ギルクと共に食堂を去る。
結局そこには幸せそうにお箸を口に含んだレイと、ニヤニヤと怪しいマケドニスだけが残った。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「……んで、何でここ?」
――…食堂を出たアレンとギルク。
アレンが当然とばかりに階段を上ろうとすると、ギルクが止めて何故か外に引っ張って行ったのだが…。
「訓練所とか遠いだけだろ」
そうアレンが文句を言うように、ギルクは何を思ったのか城の外れにある訓練所に来たのだった。
ちなみにこの場所は各部隊が合同で訓練する時に使うもの。
名前の通りとはこのことである。


