それからすぐに最上階に戻りまた教皇や皇帝、首相らと話したのだが、結局ジリルの目的が何だったのかはよくわからなかった。
しっくり来ないまま時間も遅いので解散する。
帰るにも遠いし、今日は泊まってもらうことになっていた。
そんな訳で部屋の案内はマリアンヌら使用人に任せ、アレンとレイとマケドニスはとりあえず夕食を食べる為食堂へ。
するとそこには見慣れたあの赤い髪が。
「…えっ、ギルク?」
レイが彼の姿を見て驚き声をかけた。
いつもはイルと自分の分の食料を持って、愛する婚約者のもとで食事をするのに。
「おぅ、お疲れーィ」
ギルクはアレンらに気付くとニカッと笑って片手を挙げた。
三人が歩み寄ると、不自然にやたらと笑いながらまた話し出す。
「いやー、晩ごはん食ったんだけどよぉ。腹減っちまったからまた来たんだ。
そういえば今日教皇様達みんな泊まるんだよなぁ?
すげーなぁ、今日の城は世界の重役だらけだぜ!」
「あぁ…」
「そんでさぁ!アレン、聞けよ!
食事会終わってからリルム達が来てよ、イルのお腹触って早く生まれてほしいねって言ってくれたんだぜ!!超嬉しかったなあれは!!」
「…よかったな」
ギルクの勢いに押されながらも、アレンは短くそれだけ言った。
…一体どうしたんだ。
こんなマシンガントークするギルク、イルが妊娠したとわかった日以来だ。


