今のところ2人は他の子と話していて、私に気づいていない。


他にも知っている人がたくさんいる中、私は素知らぬ顔で1人、席に座っていた。





 「…もしかして、未来ちゃん?」


『………未和ちゃん…』


声をかけてきたのは、未和だった。


「やっぱり未来ちゃん!中学はここに通うんだ!もーなんで声かけてくれなかったのー!?」


『あ、ごめん…なんとなく声かけづらくて…』

「いーよ☆それより、これからまた、よろしくね!」


『…うん!』


 未和のおかげで、緊張が解けた。

その後うみも来て、他にも未和がつれてきた子たちとも仲良くなれた。





 …何を緊張していたんだろう。

ここは前とは違うんだよ?


あんなに嫌な性格をした女子たちなんて、ここにはいないじゃない。


未和やうみという、昔からの友達がいる。




 小6でのクラスの女子により、

封印されていた私の中の、1歩踏み出す勇気。



この時、それを思い出させてくれたのは、

笠原の笑顔だった。