<実話>それでもずっと、大好き。





 あっという間に11月…


11日が笠原の誕生日だということを思い出したが、何も出来ずに終わった。


 私の誕生日は12月12日。
それも何も起こらずに終わった。


 確かに私と笠原は仲が良い。

笠原の気持ちはわからないけど、私は笠原が好き。


だけど私たちは恋人同士でもなんでもない。


ましてや小6という年齢。

友達という関係でも、男女の友達。


お互いがお互いのために誕生日を祝うなんて事、出来るわけがなかった。




けれど、

11月11日に、12月12日。



たかが誕生日。


だけど私にとっては、とても重大なこと。


運命だと思わずにはいられない数字だった。




 保育園の頃から一緒で、

笠原の転校により1度は離れたのに、

まさか笠原がいるとは知らなかった私がこの小学校に転校してきて。


こうして同じクラスになれたことも。


11と12という偶然な誕生日も。



他人からしたら小さなこと。

ただの偶然。


だけど私にとってはすべてが、運命だと思えた。